遺言書の内容が不適切な場合とは?――相続財産の記載の過不足
遺言書の記載内容が無効とまではいえませんが、不適切であるために、遺言書をせっかく作成しても、相続争いを回避できないケースがあります。 方式違背はないが、内容が不明確、不十分である場合です。 まず第1に、相続財産に記載漏れがあったり、逆に相続開始時には存在していなかったりする場合です。 前者の代表的なものとしては、マンションの共有部分にも持分を有していた場合や、私道を所有していた場合です。公…
遺言書の記載内容が無効とまではいえませんが、不適切であるために、遺言書をせっかく作成しても、相続争いを回避できないケースがあります。 方式違背はないが、内容が不明確、不十分である場合です。 まず第1に、相続財産に記載漏れがあったり、逆に相続開始時には存在していなかったりする場合です。 前者の代表的なものとしては、マンションの共有部分にも持分を有していた場合や、私道を所有していた場合です。公…
遺言書によって不動産を共有で相続させたい場合があります。 自分の死後、自宅不動産に配偶者と子どもが仲良く居住することを期待したり、また、別の項目でお話しする通り、相続税対策として小規模宅地等の特例の適用を考えたりする場合に、この方法が用いられることがあります。 不動産を共有で相続させたい場合には、相続後の共有持分の割合を記載しておかなければなりません。 この記載がなくても遺言書自体が無効と…
「相続させる」という文言と「遺贈する」という文言とは、いずれも遺言者の意思によって相続財産を渡すという点では同様ですが、法律上の取扱いは異なります。 まず、「遺贈する」という文言は一般に相続人以外に対して財産を渡したい場合に用いられますが、相続人に対して財産を渡したい場合にも用いることができます。一方、「相続させる」という文言は、相続人に対して財産を渡したい場合にしか用いることはできません。 …